少し日が経ってしまいましたが、5月16日のシティフィル「ニーベルングの指環」ハイライト特別演奏会に、ブリュンヒルデ役のカヴァーとして参加しておりました。3月末からの日本人キャスト音楽稽古、5月11日からの本キャストオーケストラ合わせ、そして本番。直前まで新国立劇場で《ワルキューレ》をやっていたので、なんかブリュンヒルデ役をもう一度駆け足で網羅した感じになりました。(ハイライト演奏会でブリュンヒルデは《ジークフリート》と《神々の黄昏》をやりました)。
(画像はSNSよりお借りしました)
そして、その後に出た城谷正博さんのインタビューもぜひお読みください。
私は93年ぐらいから二期会の合唱のエキストラをやっていたので、そちらで《1992年5月~94年7月 若杉弘&都響ワーグナー・シリーズ》や、色々なオペラガラコンサートなど、そして、新国立劇場オープニング《ローエングリン》、二期会《タンホイザー》など、ワーグナーの音楽に触れる機会をいただきました。しかし、自分がワーグナー歌手になるというイメージも当時は持っていなかったですし、男声合唱ばかりカッコ良くてずるいなー、ぐらいに思っていたのでした。
色々と経緯があり、城谷さんの記事にもある2000年からのシティフィルのニーベルングの指輪シリーズの2年目、《ワルキューレ》にアンダースタディとして入ることになり、初めてフリッカを歌いました。アンダースタディは見学のみということも多いのですが、この時は本役の皆さんと混じって立ち稽古からオケ合わせまで歌わせていただき、緊張しつつとても充実した体験ができました。
そこから20年…たくさんの機会をいただき、ワーグナーのみならず、たくさんのドイツ音楽を演奏する機会をいただきました。その中で大きな柱となったのは、やはり飯守歌劇団(勝手に私が言っているだけですw)で学ばせていただいてきたことです。飯守先生と演奏する時だけでなく、他の作曲家の作品でも、他の指揮者とやるときにでも大切な、歌手としての軸を作っていただいた気がします。
クラシック音楽は伝統芸能ですので、飯守先生が日本に持ち帰ってくださった大事なものを惜しみなく与えていただいた私たちは、やはり自分だけのものとして留めてしまわず、ちゃんと受け継いで伝えて行かなくてはならないのではないか…そんなことを考えながら、コンサートを聴いていました。もちろんまだまだ私も演奏したいし、成長したいのですが、それだけではなく。
この記事へのコメント
玉村稔
玉村です。5月16日の「ニーベルングの指環」特別演奏会はチケット完売で参加出来ず、飯守先生にお祝いとお礼を申し上げられず誠に残念でした。
以下、ご報告とお願いです。
昨日5月23日、カミさんと新国立劇場の「ドン・カルロ」に行きました。「ドン・カルロ」は当方大好きのオペラで久しぶりのヴェルディに痺れましたが、出演の外国人歌手より段違いに見事な日本人歌手に驚きました。殊に高田智弘様と小林厚子様!3月に初役のジークリンデを信じられないほど見事に歌われた小林厚子様の今回のエリザベッタも感動的でした!
これまで小林様は南條年章オペラ研究室の公演などで何度も伺って参りましたが、その頃とは段違いの素晴らしい歌唱でした。新国立の前回2014年のドン・カルロ公演では小林様はカヴァーを務められましたが、今回の小林様のエリザベッタの絶唱は前回聴いたセレーナ・ファルノッキアをはるかに超える見事さで、長年一緒に小林様を聴いて来たカミさんも「これがあの小林さんなの!?」と驚嘆しておりました、老人夫婦揃って小林様の今後の益々のご活躍を期待しております!
先日池田様は≪・・・こんな短期間に初めての役をあそこまで仕上げてくるなんて!と、改めて尊敬です。本当にコツコツと、文字通り毎日コーチと勉強している厚子さんをみると、私も負けていられない!と奮起しちゃいます≫と言われましたが、お二人の仲の良さも相当ですね。残念ながら当方は小林様とは面識がなく、メールアドレスも判りませんので、こんなアホで呆れた老オペキチ夫婦が居る、と小林様によろしくお伝え下さい。