気合いの入ったお散歩

佐賀に行っている間に、東京は短い秋から早めの冬へとシフトしていました。ちょっとそれに体が慣れるのに時間がかかっていますが、次の本番まで焦らずに整えていこうと(言い訳)、ちょっとお昼寝多めな日々を過ごしています。 さて、先週の土曜日23日は「音楽の散歩道」でした。佐賀での「散歩道」は、西村晴子さんの門下生と一緒に出演する演奏会で、思えば昨年の「散歩道」が私の「コロナな世の中」での復帰第一戦でした。そして、予定では4月末に生徒たちを引き連れて、西村門下と池田門下の合同演奏会だったのですが、私が家庭の都合により降板となり、生徒たちだけをピアニストの石野真穂さんと佐賀の皆様にお願いして、リモートで見守ることとなったのでした。 その際に、こちらからは西村門下のしっかりとした基礎のある歌い方を羨ましく拝見していたものですが、西村先生からは「池田門下はテンションがすごい。あのテンションがうちの子たちにも欲しい」とおっしゃっていただきました。そうか、テンションね。そのテンションのせいで、時折不安定が目立ってしまうこともあるけれども、舞台に立つ上で大切なことではあるので、とても嬉しかったです。 今回は、AFFの助成金をいただけたおかげさまで、東京からは3人の歌手が伺えることになり、1ヶ月前にしっかりとリハーサルの期間も設けることができました。私は久保田文香さんとアイーダの二重唱を。その他の生徒さんとも、すでに長いお付き合いとなってきています。コロナ対策のため、向かい合って歌うなどができないのを逆手に取り、歌に…

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憧れと愛情

イル・テアトロ・オペラ千代田主催のコンサートに出演しました。 私は、マーラーの「大地の歌」のアルトソロを歌ってくれませんか?とお声がけ頂いて参加しました。主催の安藤英市さん(テノール)が、いつか歌ってみたかったという「大地の歌」をArt for Futureの企画として立ち上げ、こんな大規模なコンサートとして催行なさいました。すごい! プロフィールを拝見すると、イタリアオペラ一辺倒の方なのかな?と思いきや、声楽を始めた頃はリートを主に勉強していて、その頃からの憧れの曲だったのだそうです。 そう、大地の歌と言えば、知る人ぞ知る「テノール殺し」ですよ。容赦なく続く高音、忖度なく鳴り響く分厚いオーケストラ!いつもいつも「どうぞご武運を」と祈りつつ見守るばかりなのです(?)。安藤さんは、元々しっかりと強い声をお持ちなのだと思いますが、それに加えて「こう歌う」「こう歌いたい」というのがはっきりイメージできているからこそ、長時間のリハーサルにも耐え、本番にしっかりと持っていける歌になっていたのだと思います。 前半のプログラムには、「四つの最後の歌」があり、これまた以前から憧れていらしたという山畑晴子さんが歌われました。 お二人とも、ドイツものの経験は多くないでしょうし、マーラーやシュトラウスをオーケストラで歌うことに対して慣れているわけではない。そして、主催としてたくさんのお仕事をこなしながらの本番でした。色々と「物申す」ことはできるけれども、でもやっぱり作品に対しての強い思いを持ってトライして…

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愛と死と

佐賀から戻り一息つきましたら、台風ビュービューの中、10月10日「大地の歌」の音楽稽古に行ってきました。 「大地の歌」を歌うのは3回目。その他にシンフォニーの2番、3番、8番と経験を積んで、だいぶマーラーさんと仲良くなってきたように思います。今週はオーケストラとのお稽古がありますので、とっても楽しみです。 そして土曜日は、白寿ホールにて小山由美先生のブラームスばっかりの演奏会がありました!前半の民謡をもとにした歌曲のコーナーでは字幕がありまして、急遽その操作を申しつかり、私がキュー出しを、夫が字幕ファイルの作成と操作を。今まで「わ」の会ほか、自前スタッフでやってきたときにいつも夫が字幕の調整と操作をしていた経験が役に立ちました。 字幕を出すタイミングをはかるために、常に耳を澄ませているのですが、夫曰く「言葉をはっきり歌ってくれる人のはやりやすい」とのこと。本当に。単純な曲に見えても、ちょっとしたタメとかゆらぎがあるものなので、なるべく良いタイミングで出せるようにということにはいつも気を遣います。 というわけで、リハーサル、ゲネプロ、本番とブラームスの世界に浸って幸せに過ごしました。 後半の「4つの厳粛な歌」は客席で聴くことができたのも嬉しかった。 たまたまピアノという媒体を使っていますけど、ピアノを弾いているんじゃなくてピアノを使って立体的な音楽を提供しています的な佐藤さんと、まるで今自分が思いついた言葉を口にしているかのような由美先生のコラボは、ドイツ語をリアルタイムで理解しない…

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