地位向上委員会
先日の「メゾソプラノ地位向上委員会」というコンサートは、ハイレベルかつ親しみやすい素晴らしい公演だったと巷での評判ですね。よく冗談で「ソプラノは〜で、メゾは〜〜で、テノールは…で、バリトンは」とか言いますが、確かにメゾソプラノらしいキャラクターってあるような気がいたします。
さて、地位向上といえば、わたくし密かに行なっている一人部活動?がございます(笑)。いや、きっと同士はたくさんいると思うんですけど。
それは「カヴァー歌手地位向上委員会」です。
他分野ではちょっと違うかもしれませんが、オペラの業界では「アンダースタディ」と「カヴァー」って立場が違います。(日本語ですと両方とも代役ですけどね)アンダースタディは、その役を勉強しながら、リハーサルなどで時に代理を務める歌手。本役が降板しても、基本的には出演しません。カヴァーは、本役に何かあった時に出演するために雇われている代役です。なので、カヴァーの人に「アンダーの人」とか言うと、ちょっとムッとされるかも。特に新国立劇場では公演数が多く、ヨーロッパからすぐに代役が飛んでくるというのも難しいため、しっかりベテランの歌手がキャスティングされていることが多いのです。
予定されて雇われている以上、何もなくてジャンプインしてくる代役とは違い、しっかり演技なども頭に入れて支障なく務めるのがお仕事。そう思ってやっています。本番を歌って得られるカタルシスがないため、「カヴァー業務は想像妊娠みたいなもんだねえ」と私はよく言いますが、しっかり良い子が…