ヴェーゼンドンク

昨日はオペラシティにて、ヘンツェ版「ヴェーゼンドンク歌曲集」を歌ってきました。オリジナルはピアノ伴奏で、ワーグナーが作曲したものを、低く移調して室内オーケストラの彩りを添えたものです。 ご依頼を頂いてからすぐにスコアを買い求め、嬉しく眺めながらこの日を待ちました!今までも何度もご一緒している下野マエストロですが、今回は特に時間をしっかりとってリハーサルをお願いし、音楽のこともそうでないこともたくさんお話しし、コンサートまでの過程を共有しました。コンサート終わってから皆でお話ししている時に、「池田さんは、なんというか盟友って感じかな」っておっしゃってくださって嬉しかった! 普段はドライめな(残響の多くない)ところで歌うのが好きなので、ちょっと豪華な響きのオペラシティの舞台では楽器と聴き合う感じが難しいかも、とか言葉がつぶれないように、とか想像しながらいろいろ準備するのは楽しかった。ピアノ伴奏にはない音がたくさんあるので、リハーサル用のピアノリダクション譜面を「わ」の会でおなじみの城谷さんが書いてくださったり、歌詞についての小さな疑問について吉田真さんが詳しくお教えくださったり…「わ」の会仲間のバックアップもありました。 (吉田さんがワーグナーの手書きファクシミリを見せてくださいましたよ!) リハーサル始まる頃に、大きな温度差と世の中あちこちで盛大にかかるエアコンで、アレルギー性鼻炎にも悩まされ(笑)。幸い声には影響なく歌えたので、多少お見苦しい点があったことは大目に見てい…

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マーラー交響曲第3番

11日は京都コンサートホールでマーラーの交響曲第3番の本番でした。2012年に歌ってから2回目。 デア・フェルネ・クラングという、プロアマ混成のオーケストラで、指揮は角田鋼亮さん。角田さんとは、回数は多くないけど、私にとって大きくて思い出に残る仕事の副指揮でご一緒していたので、彼の指揮で歌うのがとても楽しみでした。 長大なマーラーのほかに、前プロとして30分ぐらいあるチェロのコンチェルトつき。当日の朝のリハーサルを含めて、合計5時間も演奏するので、オケの皆さまもお疲れはあったと思うのですが、最後まできれいな音で、とても良いコンサートになりました。 そうそう!前プロのドホナーニ「コンチェルトシュトゥック」は初めて聴きましたが、とても素敵な曲でしたよ!ゲネプロ聴いてよかった! マーラーやシュトラウスは、「ここの間にいい感じで7つの音を弾いてね」みたいなのがたくさんあり、奏者のそれぞれがしっかりイメージをもって進まないと、どんどんお見合い状態になって停滞してしまったりします。それぞれのパートを上手にリードし、時に励ましながら全体のフォルムを作っていくのが指揮者。 力強くかっこいい一楽章(長い!)、室内楽的で素敵な二楽章、マーラーっぽい表情豊かな三楽章ときて、四楽章は哲学的でミステリアスな夜の雰囲気。夜明けのようにぱっと明るく児童合唱が出てくる五楽章はとても人間的。そして、続いて始まる六楽章はひたすら美しく、舞台上で聴くのがとても楽しみなのです。 指揮の動作ってそんなに…

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